コブシ

コブシ(辛夷)は、春に花をつける落葉広葉樹です。モクレン科。

武蔵野の雑木林には多く生えていたと聞きます。


玉川上水でも、立川から小平にかけての雑木林エリアで、林内にいくつかのコブシを見つけることができます。


9月頃に見られる果実は集合果。いくつか集まっていることで、人間の拳のような形になります
諸説ありますが、これがコブシの名前の由来なんだとか。


 
しばらくすると、鮮やかな赤い実に。
野鳥も食べることのある実ですが、今のところ玉川上水のコブシの実を食べる野鳥の姿を自分の目で観察したことはありません。今後要チェック。


樹皮は比較的なめらか。年をとると、少しザラザラしていきます。


なかなかいい色に紅葉します。あまり赤くはならないタイプ。


葉の形は鋸歯のない全縁先端が細く尖っていることも特徴です。
落ちた葉も、コナラ・クヌギ林の中では簡単に見分けられます。


白く清楚な花からは、香水として使いたいくらいの良い香りがします!
近い種であるモクレンと同様。
ただ、残念ながら高いところにしか花をつけない場合があります。もしも手の届く距離に花が咲いていたら、ぜひぜひ香りをお楽しみください。
花の開花とほぼ同時に、つけねから葉が生えるのもポイント!

千昌夫さんの『北国の春』の歌の中にも「こぶし咲くあの丘~♪」なんていうフレーズがあります。
コブシは農作業の進行の基準としていた樹木とも言われています。
単にコブシの花を思い出しているだけでなく、その周辺の農村風景まで回想しているのかもしれませんね。
もっとも「北国」ですし、直前の歌詞にも「白樺」が登場しています。武蔵野の雑木林の中で見られるコブシとは違う風景でしょう。



コブシは立川市の「市の花」でもあります。
市の公認キャラクターである「くるりん」ちゃんのしっぽはコブシの花になっています。

ちなみに立川市、小平市の「市の木」はどちらもケヤキとなっています。
こちらも、玉川上水で多く見かける樹木です。
その他、街道沿いの屋敷林、街路樹としても多くの場所に植えられています。